「広報加古川」の裏表紙に登場
最新刊「花になるらん 明治おんな繁盛記」
京都の呉服商「高倉屋」のご寮人さん・みやび。女だてらに積極的に商売を拡げ、動乱の幕末から明治を生き抜いた女性の波瀾の人生を描く大河長篇。
地産地消オペラ@アクリエひめじ。
姫路にできた新しいホールで姫路城の美しさや播磨の風土の豊かさを高らかに歌う。今夜、姫路の人はどれほど誇らしかっただろうかと思う。
玉岡かおるさんが書いた『姫君の賦〜千姫流流』が『オペラ千姫』になって華々しく上演された。
物語は原作に忠実に進行していくが、作曲や演出、何より卓越したオペラ歌手たちの迫力によって、すべての日本人の心にひびく作品に仕上がっている。そのことに、ただただ感嘆した。オペラという芸術の型を借り、日本の物語を日本語で日本人が演じた『オペラ千姫』。こういうことができるんだと改めて感動する。伝統芸能ではなく、西洋の芸術すらも日本人は自家薬籠中の物にして新しい物語をつくってみせる。千姫役の小林沙羅さんの心震えるソプラノに、日本センチュリー交響楽団の迫力に、もう涙腺崩壊したぞ。普段歌わない日本語で、ほとんど着たことがないであろう着物を着て、演者たちもたいへんだったと思う。これ、姫路だけでしか上演しないんだろうか。全国でやってほしいと思うけど、地元姫路でやる地産地消型だから値打ちがあるのかも。
船、大安宅船とかが出てくるのだが、よく考えると川、船、湊など、『帆神』への伏線はすでにこの頃からあったと気づくし、もともと播磨の川や湊への並々ならぬこだわりが玉岡かおるさんの小説には通奏低音のように流れていると思う。いやあ、天晴れ、圧巻のジャパニーズ・オペラ。